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共同で君たちの描く○○が見たい:008

共同で君たちの描く○○が見たい-共同200人切り-
 この企画は、鯖味噌様のおまえらの描く○○が見たいを使用して行われております。多謝。
 細かい決まりなどはコチラ

■第八回:固太り
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蛇足氏:固太り
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 すでに硬くなくなってるかんじもするけど……。

Myu氏:KATABUTORI
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 こういう太り方すると、なんかもうオワタってかんじのイメージなんだ。
 いや、イメージだけなんだけどさ。


SSはまだ↓

共同で君たちの描く○○が見たい:007

共同で君たちの描く○○が見たい-共同200人切り-
 この企画は、鯖味噌様のおまえらの描く○○が見たいを使用して行われております。多謝。
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■第七回:レゲエ
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蛇足氏:レゲエ
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 まぁ、レゲエつったらドレッド。日本人といったらちょんまげ。
 でもどっちかってと、バスケやってる人みたいな感じを受けるのは、僕のきのせいでしょうか。

Myu氏:レゲエっぽい?
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 レゲエっぽい。
 マイク持ってるだけでレゲエ度アップ。小物って大事なんだなぁって。背景とか描いてしまえばさらに変わってくるんだろうけど、まぁ小物が一番ですな。アクセとか。


SSはコチラ↓
 赤い夕暮れの色が、校舎を染め上げていた。影と赤に染められた雲は、風がなくその場でたたずみ、まるで写真のようにその風景はこびりついている。動くもの一つもない赤い光のあふれる中、校内までもがその色にいやおうなしに塗り付けれられている。
 学校指定の黒い詰襟も、それが影なのか赤なのかわからない色になっていた。
「だからさー、そういうことあるじゃない」
 こびりついた空間をはがすように、力強い声が教室に響く。教室に残っているのは二人の男子生徒。それ以外にはいない。
「まぁ、あったかもしれないけどさ」

 力強い声にこたえたのは、対象的な覇気のない声だった。
「なんだか煮え切らないなー。たとえばさ」
 椅子から身を乗り出し、後ろの机に身を乗り出していた彼は、体制を立て直すように椅子に座りなおした。机ひとつを間に二人は向かい合う形になる。
「ホームレスっているじゃない」
「いるねぇ。寒いからあまり見かけないけど」
「あの人らをさ、昔なんでかレゲェのおじさんって呼んでたんだよ」
「はぁ?」
 あまりのことに、聞きかえした覇気のない声は、やはり驚いても覇気がなかった。
「レゲェってあの音楽のレゲェ?」
「いや、多分ガキのころはそっちは知らなかった」
「じゃぁなんてレゲェなんだよ。そりゃ失礼にもほどがあるだろ」
「ガキなんだからそんなのわかんねぇって」
 そりゃまそうだけど、と口の中でつぶやいた彼は疲れ気味にため息を漏らす。
「お前だってそういうのあるっしょ?」
「うーん」
 首をひねり彼は一息。
「外国ってのをアメリカのことだとおもってたよ」
 と、つぶやいた。
「あー、わかる。なんだかわかるそれ」
「でもレゲェと一緒にしてほしくはないんだけど」
「その言い草だと、まるでレゲェが悪いみたいな言い方だ」
「だって、ホームレスがレゲェって。どんなボブだよ」
「どんなボブだよって、おまえそれのほうが失礼だろ! なんかボブしかいないみたいな偏見じゃないか」
 勢いに任せて机をたたく。もちろんそんなパフォーマンスに、はじめからやる気のない彼が反応するわけもなくただじっとその手をみていた。
「そんなことはないけど、ボブじゃないか」
「不条理だ! ドレッドぐらいならわかるけどさ」
「ボブつったらアフロだろ」
「そのボブ、違うボブじゃね?」
「ちがくないって。ボブ・ロスだよ」
「それ絵画教室のほうじゃねぇか! レゲェとぜんぜんつながってないよ!」
 そうかなー、と彼はまた口の中でつぶやくと窓の外に視線を向ける。教室が赤く染まってからずいぶんたったような感覚だったが、まだ日は落ちていなかった。時計を見ると、下校時刻が差し迫っている。
「帰ろうぜ」
「だからボブじゃないだろ!」
 立ち上がりカバンを方に担いだ彼を追いかけるように、叫び声が飛んだ。

 校舎に人気はなく、彼ら二人以外に動くものはない。さすがに日が低くなったのか、伸びてきた影に昇降口は隠され遠くから反射する赤い光が、まるで筆で乱暴に書きなぐられた線のように見えた。
「あーあとな」
 下駄箱に手をかけたところで覇気のないほうの彼がつぶやく。
「月極めをさ――」
「げっきょくだろ? ありきたりすぎだっつーの」
 さえぎるように言葉が飛んだが、彼は首をふって薄く笑う。
「いや、磁石のS極N極の兄弟だとおもってた」
「……、いやそれはないだろ」
「ないか」
「ないな……」
 遠く車が走り去る音。風もない校舎はほとんど無人で、二人が黙ってしまうと音はどこにも無くなってしまう。
 昇降口を出て校庭にさしかかるとその静けさはさらに重みを増してのしかかってくる。無音の重圧に真っ赤な光。きれいなはずの光景は、どこか重苦しくそして憂鬱だった。


「でもレゲェがボブってのはありだとおもうんだ」
「まだホームレスがレゲェのほうがありだろ」
「いやそれはないだろ」
「ボブのほうがないって」
「……」
「……」
 二人はボブに思いをはせ、おのれらが何をしているかにふときがついた。
「どっちもないな」
「だな」
「まぁ、始業式の日間違えるのぐらいはありだろ」
「……ないなぁ」
「ないかぁ」
 ため息は、夕暮れの空へと溶けていく。

今日のニュース

[PC]
CeBIT 2007 - なんと12インチTFTを装備したアルミケース、HDDも10個搭載可能
 サーバー機にカラー液晶なんていらねーとおもうんですが。


サムスンUbiSync:USB接続で6台マルチモニタ(Engadget Japanese)
 これはすげぇなぁ。




[science]
<人工リンパ節>マウスに移植、免疫力20倍
 やっべ! 改造人間っぽい!



[etc]
◎「R2―D2」型の郵便ポスト
 ポストにみえねw


時代は表紙買いから、ページ買い、コマ買いへ(Shamrock’s Cafe)
 納得ですなこれはー。


映画に最悪なサブタイトルをつけてぶち壊しにしてみる(舞軌内雑筆店)
 すげーがっかりかん。


音で物体を浮遊させる実験映像(小太郎ぶろぐ)
 ういたああああああああ!
 すげぇ
 UFOみたい。



[2ch]
カーチャンの昔の同人誌見付けた(酔拳の王 だんげの方)
 すげええええええええええ!


社長に「(^ω^)ゞおいすー」って朝の挨拶したら…(ゴルゴ31)
 やべぇ続きが!
 うわー。このひと、日記ブログとかやってほしいなぁ


飯島愛(cotinus)
 吹いた。


15歳妹を虐待しようと思う続きを読む(日刊スレッドガイド)


雑記とか。

□買う予定


予定:
 『星の緑の丘で』 小川一水
 『おれはミサイル』 秋山瑞人
 『フリーランチの時代』 小川一水
 『Bottom of the World(全2巻)』 桜坂洋
 『.49ers Point-Forty-Niners(全2巻)』 新城カズマ
 『人狼日記(全3巻)』 古橋秀之
 
□雑記:
 寒い。雪までふるぐらいだ。
 もうだめだ。寒くてしねる。眠い。冬眠します。




拍手:4回
⊂*´ω`*⊃びょ〜ん
 びょーん。

共同で君たちの描く○○が見たい:006

共同で君たちの描く○○が見たい-共同200人切り-
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 11/3、ファイル容量などについて変更がありましたので、更新しました。

■第六回:ショタ
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蛇足氏:
ショタっこサッカー
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 さて、なんだか更新も久しぶりになりますがこんばんわ。
 でもこんにちわでした。
 サッカーボールちいさくね? ちいさくね?


Myu氏:しょた
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 ショタってどこにいっても通じるもんなんですかね。
 まぁ通じる人に通じればいっか的なもんなんですかね。
 どうでもいいんですけど。
 


SSは↓
 見上げていた青空には一片の曇りもなくて、それがなんだか少しだけ寂しかった。
 いや、寂しかったのはきっと別の理由だった。そんなことは彼にもわかっていただろうし、誰かにとやかく言われるようなことでもない。
 彼はただ無言で、町を見下ろせる小高い丘の上に立っていた。気取った結果でもないし、無意識の行動でもなくて、その場所が唯一彼の願いをかなえてくれるであろうことを、彼は知っていた。それだけだ。
 顔を横切った影に、思わず彼は空を見上げる。その影があまりにも力強く、そして大きく思えたから。青い空を横切るような大きな銀色の翼。風を切り裂き、巨大な重量を押し上げるエンジン。その巨体はどんな支えも必要とせず、たった一人揺るぎ無い速度で空を突き進む。
 飛行機。
 そうおもった。

 だが、横切ったのは飛行機の影ではなく、紙飛行機の影だった。すっと視界に真っ白な三角の姿が横切っていく。たとえ小さくてもその姿は何処までもまっすぐで、力強い姿に見えた。
 と、風が丘を駆け上ってくる。
 最初にやってきたのは音。草を掻き分け、木を揺らし、葉を舞い上がらせる風の音。
 そして追いかけるように、体を下から上へなめ上げる風が吹いた。
 空を行く紙飛行機が揺れた。前から受ける風のことだけしか考えていない紙飛行機は、下からの風をその羽全てで受け、バランスを失いそのまま地面へとおちた。
 風はさり、紙飛行機は彼の足元に落ちている。
 乾いた音がして、頭に何かが触れる感触をえた。
 思わず手を伸ばしその「何か」を掴む。乾いた感触につづいて、くしゃっという音とともにソレは崩れた。
 ――枯葉だ。
 空は青く、雲ひとつない青空だった。もう頭をなでてくれるあの人はいない。



 ごめん。
 そういって最後に見せた顔は、あまりにも痛々しくて見ていられなかった。目をそらし、何も言わずただ小さくなっていく車の排気音を聞いていた。今もその音が頭の隅っこでこだまになって響いている。何もいえなかったことに、幾ばくかの後悔があるがあの時何を言うべきなのか、彼にはまだ答えが出せてない。
 ただ、車に乗っていってしまったあの人はもうサッカーを教えてくれないのだ、ということだけ頭の中で重たい渦を巻いている。
 引越しなのだと、言っていた言葉の真偽を彼はしらない。ただ受け止め、無言でうなずくほか彼に選択肢はなかった。
 ずいぶんと昔から共にいたような気もする、そんな思い出に浸りながら彼は空を見上げる。
 もうすぐ時間のはずだ。親にそう聞いた。特に良くもない視界の向こう、何か町の向こう側からゆらりと動く影が見えた。
 ――飛行機だ。
 驚きも、期待もない感情が胸の辺りを浸していく。ぬるま湯のような、なんともいえない不快感。遠く小さな塊は、しだいに高度をあげ空へと向かって飛んでいく。一心不乱に、ただ前に進むことだけを考えられたその巨体は、ぐんぐんと大きくなりそして高くなっていく。
 こちらに向かいながら空を駆け上っているのだ。不思議な感覚だった。
 あの人は離れていくというのに、あの人ののった飛行機はこちらに近づいてきている。
 音が聞こえる。風をさき、木々を揺らし、雲を突き抜ける力強いタービンの音。ただただ前に進むその姿が、あの人が放つボールの奇跡にかぶる。力強く迷いが無いがむしゃらな速度。
 一瞬、丘は影に包まれた。頭上を飛行機が通り過ぎたのだ。まるで音を立てたかのように影は辺りを薙ぎ、そして風よりも早く丘を去っていった。
 去っていく飛行機の姿を追いかけて、彼は振り返る。見上げた視界には飛行機は無かった、もう雲をぬけ跡形もなくすがたを消していた。
 
 彼はただじっと空をみあげている。見えなくなった飛行機の後ろを追うようにじっと。
 と、いきなり視界が真っ白にそまった。
 疑問よりも早く驚きがきて、思わず彼は後ろ退る。
「わ」
 かさりと乾いた音をたて頭にあたったのは、紙飛行機だった。
 そういえば先ほどもひとつとんできた。
 紙飛行機は風に乗って飛ぶが、初速がなければただの紙どうぜん、風にふかれることがあっても空を飛ぶことはない。
 ――誰が
 疑問に答えるように、懐かしい音が聞こえた。
 土をける音だ。
 そして続くように音が聞こえる。
 ボールを蹴り上げる、聞きなれたあの音が聞こえる。

共同で君たちの描く○○が見たい:005

共同で君たちの描く○○が見たい-共同200人切り-
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■第五回:ロリっ子
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蛇足氏:ロリッ子は空気を読めない
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 ずいぶんと間があいて、このまま風化かと恐怖してたところで蛇足君の投稿。
 堅苦しくて描けないといわれても、聞く耳は持ちません。
 タイトルそのままやってくるとは思わなかったよ。


Myu氏:005, ロリっ子
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 黒っ! こわっ! ブラウザ開いた瞬間、ちょっとちびった。
 ロリっていうかゴスちっくですが、でもロリです。
 

SSは↓
 それは、たわいも無い嫉妬だった。だけれども、彼女にとってその感情はそれなりに特別な感情だった。他とかかわりの持てない彼女だったからこそ、それは特別でそして抑えられない感情だったのだ。
 他を認識することはあっても、他と己を同一軸上に考えたことはなかった。観測という干渉しか許されず、まるでそれは目の前で繰り広げられている物語でしかない。だからこそ、嫉妬などという他と己を同一軸上に並べそして比べるようなことは決して無かったし、無いと彼女も思い込んでいた。事実今までそんなことは無かったのだから。
 物心ついたときから彼女は己が、今見ている風景と相容れないものであることだけは理解していた。そして己が、
 人の夢を食べる化け物だということを理解していた。
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 夢といっても、それが睡眠の浅いひと時に現れる記憶整理の残りかすではなく、その意味はそのまま人のもつ夢そのものである。
 人の望みであり、儚い憧れであり、そして希望である。
 夢。
 彼女はそれを食べて生きていた。生きていたというより、存在していた。観測という干渉と夢を食べるというその行為のみが彼女に許された行動で、それ以外に関して彼女は何もできず何もしない。だから、他を嫉妬するなどということは起こりえるはずがなかった。

 夢を食べるのに、欠片も躊躇した記憶はない。己はそういうシステムなのだという諦めでもなく、誇りでもない、何かしら刻まれた一本の柱のようなものがそこには存在していた。
 だから夢を食べなければ己が消えるという現実にかんして、やはり恐怖を覚えることもなかった。
 きっかけといえば、多分昼の日中に夢のにおいを感じ取ったことだった。彼女は少しばかりの驚きと、目を瞑りたくなるような明るさに眉をしかめながらも上体を起こし、夢の匂いを追いかけるように視線を走らせた。
 彼女と彼女が見ている世界は基本的に不干渉で、彼女の見ている世界の住人が彼女を見ることはほぼ不可能だった。というよりは、彼女には自分が見ている世界に干渉しようという気すらまったくなかった。ただ彼女の頭から足先まで貫いている純然たる『夢を食べる』という、衝動でもなければ呪いでもない、決まりにつき動かされているだけの存在だったのだから。
 ずるりと、まるで闇色の海から這い上がるかのように、彼女は影から体を起こす。
 通り過ぎた二人の人間のうちのどちらかが夢を見ていた。しかもそれは睡眠をとっていた彼女を起こすほどに強い匂い。ただそのどちらかから匂いがしているのか、彼女にはわからなかった。どちらかが寝ていれば、あたりもつけられたのだが二人ともが起きており、歩いているのだ。小さくしたうちをし、彼女はゆっくりと二人のあとを追いかけ始める。体を隠す必要などはないが、夢を食べる瞬間はどうしたって世界と干渉することになる。つまり前を歩く二人からも見えるということだ。もし間違った方を食べてしまえば、恐怖によってもう片方の夢は瞬時に霧散するだろう。
 だから、どうしても100%の確率で夢の持ち主を見つけなければいけない。
 でなければ夢をみすみす逃すことになってしまうから。
 
 雨が先ほどまで降っていたなんて信じられないほどに雲ひとつない青空の下、しかし地面は雨にぬれ水溜りを作っている。アスファルトの黒い色を物ともせず、水溜りが青空を移し、風に混じるぬれた埃のような匂いが辺りを覆っていた。昼過ぎのこの時間、人通りの少ない住宅街を二人は手を繋いで歩いている。一人は男でスーツを着込み傘を持って横を歩く小さな人影をひっきりなしに気にしている。その小さな人影は少女で、繋いだ手を引っ張って男をせかしている。
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 何処にでもいる親子の二人をみて、陰に潜んでいた彼女は一瞬ひるんだ。いつも彼女が活動するのは、夜明け前の世界が青く染まる時間だけ。世界が夢に包まれるその時間の人間は、ほとんどが寝ていて、こうして動いているのを見るのは稀だからだ。
 笑い声までもが聞こえてくる。その雰囲気におされ、彼女はたじろぎ一歩を踏み出せない。
 結局、その親子は片時も離れず家へとたどり着いた。親子の家は普通の一般住宅で、特に変ったところはなかった。家屋独特の染み付いた匂いにまったくまぎれないほどの強烈な夢の匂いは、以前健在でしかしソレがやはりどちらから発せられているものなのか、彼女には判別がつかなかった。
 ――せめてもう少し離れてくれれば。
 ふらふらと宙をさまよいながら彼女は、親子を追いかける。
「ただいま」
「ただいまー!」
 大きな声の挨拶が誰もいない家に響く。
「今日も、母さんみつからなかったな。ごめんな」
 そういって、彼はくしゃっと娘の頭をなでる。
「ううん」
 その二人が、あまりにも暖かそうで、彼女は、じっとその場から動くことを忘れていた。一瞬夢を食べるという目的すら忘れるほど。
 それは、間違いなく嫉妬だった。
 何処からそんな感情がわいてくるのか、一体何をそこまでうらやましいと思ったのか。彼女にすらわからない。
 己の感情に愕然とし、彼女はゆらりと二人から離れかける。
 同時、電話のなる音が部屋に響き渡った。
「私でるね」
 その一言に、彼女は何とか目的を思い出し己をとりもどした。二人が離れる。夢の匂いを注意深く吸い込み、いまだ玄関から離れていない父親のほうへと近づく。
 ――こいつだ。
 間違いない。ソレほどまでに強烈な匂いだった。そして娘が離れてもなお、その匂いは衰えずむしろ強くなるほどだった。
 ――なんだ、これは。
 だが、その夢の匂いは悲壮感に包まれていた。
 悲しみにくれた人間に、これほどの夢の匂いを出すものはいない。生きる気力を失った人間から夢の匂いなどはしないのだから。しかし、確かにその夢の匂いは悲しみにまみれている。
 ――考えている暇はない。
 電話越しに会話をする声が聞こえる。急がないと。彼女は廊下を歩く父親の背後に回るとゆっくりと口をあけた。
 夢を飲み込み、生気を糧とするために。
 肩が歯が食い込んだところで、父親が気がつく。痛みに、彼は背後に視線を向けるが彼の目には何もみえない。ただ激痛だけが肩を襲う。
「ぐあああああああ!」
 床に倒れこもうとする上体を、彼女は食い込んだ歯で無理やり起こす。ぐいと、引っ張られた彼は気絶もできず体からゆっくりと生気が抜けていくのを感じていた。
「まて」
 声は、廊下の向こう側から。電話ごしのやり取りはもうとっくに聞こえてこない。声の主は、
「ソレは、私の獲物だ」
 ずいと手を伸ばした。
 掴まれたのは、父親ではなく肩にくらいついていた彼女だった。
「!」
「どけ、若造。この男の夢は私のものだ」
 ミシリと体が悲鳴を上げる。骨ではなく、存在そのものが軋む音がする。
「この男は、妻も娘もなくし、ただただ彼女たちを探そうとしている生きる屍だ。そしてその願いは、日に日に強くなる。次第に己の体を維持できないほどにな。これはここまで私が育て上げた夢。貴様になんぞやらんよ」
「あ、あぁぁ」
「お前は先に私の糧になれ」
 軋む音。そして己が千切れる音。痛みと不快な音とともに意識が薄れていくのを彼女は感じた。
 ――ああ、うらやましいと思ったのはこいつだったのか。
 ただソレだけが、己が狂っていない証拠だと安心し微笑む。