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共同で君たちの描く○○が見たい:005

共同で君たちの描く○○が見たい-共同200人切り-
 この企画は、鯖味噌様のおまえらの描く○○が見たいを使用して行われております。多謝。
 細かい決まりなどはコチラ
 11/3、ファイル容量などについて変更がありましたので、更新しました。

■第五回:ロリっ子
ログはこちら。

蛇足氏:ロリッ子は空気を読めない
IMG_000183.png ( 43 KB ) by しぃペインター通常版

 ずいぶんと間があいて、このまま風化かと恐怖してたところで蛇足君の投稿。
 堅苦しくて描けないといわれても、聞く耳は持ちません。
 タイトルそのままやってくるとは思わなかったよ。


Myu氏:005, ロリっ子
IMG_000185.png ( 51 KB ) by しぃペインター通常版

 黒っ! こわっ! ブラウザ開いた瞬間、ちょっとちびった。
 ロリっていうかゴスちっくですが、でもロリです。
 

SSは↓
 それは、たわいも無い嫉妬だった。だけれども、彼女にとってその感情はそれなりに特別な感情だった。他とかかわりの持てない彼女だったからこそ、それは特別でそして抑えられない感情だったのだ。
 他を認識することはあっても、他と己を同一軸上に考えたことはなかった。観測という干渉しか許されず、まるでそれは目の前で繰り広げられている物語でしかない。だからこそ、嫉妬などという他と己を同一軸上に並べそして比べるようなことは決して無かったし、無いと彼女も思い込んでいた。事実今までそんなことは無かったのだから。
 物心ついたときから彼女は己が、今見ている風景と相容れないものであることだけは理解していた。そして己が、
 人の夢を食べる化け物だということを理解していた。
IMG_000185.png ( 51 KB ) by しぃペインター通常版

 夢といっても、それが睡眠の浅いひと時に現れる記憶整理の残りかすではなく、その意味はそのまま人のもつ夢そのものである。
 人の望みであり、儚い憧れであり、そして希望である。
 夢。
 彼女はそれを食べて生きていた。生きていたというより、存在していた。観測という干渉と夢を食べるというその行為のみが彼女に許された行動で、それ以外に関して彼女は何もできず何もしない。だから、他を嫉妬するなどということは起こりえるはずがなかった。

 夢を食べるのに、欠片も躊躇した記憶はない。己はそういうシステムなのだという諦めでもなく、誇りでもない、何かしら刻まれた一本の柱のようなものがそこには存在していた。
 だから夢を食べなければ己が消えるという現実にかんして、やはり恐怖を覚えることもなかった。
 きっかけといえば、多分昼の日中に夢のにおいを感じ取ったことだった。彼女は少しばかりの驚きと、目を瞑りたくなるような明るさに眉をしかめながらも上体を起こし、夢の匂いを追いかけるように視線を走らせた。
 彼女と彼女が見ている世界は基本的に不干渉で、彼女の見ている世界の住人が彼女を見ることはほぼ不可能だった。というよりは、彼女には自分が見ている世界に干渉しようという気すらまったくなかった。ただ彼女の頭から足先まで貫いている純然たる『夢を食べる』という、衝動でもなければ呪いでもない、決まりにつき動かされているだけの存在だったのだから。
 ずるりと、まるで闇色の海から這い上がるかのように、彼女は影から体を起こす。
 通り過ぎた二人の人間のうちのどちらかが夢を見ていた。しかもそれは睡眠をとっていた彼女を起こすほどに強い匂い。ただそのどちらかから匂いがしているのか、彼女にはわからなかった。どちらかが寝ていれば、あたりもつけられたのだが二人ともが起きており、歩いているのだ。小さくしたうちをし、彼女はゆっくりと二人のあとを追いかけ始める。体を隠す必要などはないが、夢を食べる瞬間はどうしたって世界と干渉することになる。つまり前を歩く二人からも見えるということだ。もし間違った方を食べてしまえば、恐怖によってもう片方の夢は瞬時に霧散するだろう。
 だから、どうしても100%の確率で夢の持ち主を見つけなければいけない。
 でなければ夢をみすみす逃すことになってしまうから。
 
 雨が先ほどまで降っていたなんて信じられないほどに雲ひとつない青空の下、しかし地面は雨にぬれ水溜りを作っている。アスファルトの黒い色を物ともせず、水溜りが青空を移し、風に混じるぬれた埃のような匂いが辺りを覆っていた。昼過ぎのこの時間、人通りの少ない住宅街を二人は手を繋いで歩いている。一人は男でスーツを着込み傘を持って横を歩く小さな人影をひっきりなしに気にしている。その小さな人影は少女で、繋いだ手を引っ張って男をせかしている。
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 何処にでもいる親子の二人をみて、陰に潜んでいた彼女は一瞬ひるんだ。いつも彼女が活動するのは、夜明け前の世界が青く染まる時間だけ。世界が夢に包まれるその時間の人間は、ほとんどが寝ていて、こうして動いているのを見るのは稀だからだ。
 笑い声までもが聞こえてくる。その雰囲気におされ、彼女はたじろぎ一歩を踏み出せない。
 結局、その親子は片時も離れず家へとたどり着いた。親子の家は普通の一般住宅で、特に変ったところはなかった。家屋独特の染み付いた匂いにまったくまぎれないほどの強烈な夢の匂いは、以前健在でしかしソレがやはりどちらから発せられているものなのか、彼女には判別がつかなかった。
 ――せめてもう少し離れてくれれば。
 ふらふらと宙をさまよいながら彼女は、親子を追いかける。
「ただいま」
「ただいまー!」
 大きな声の挨拶が誰もいない家に響く。
「今日も、母さんみつからなかったな。ごめんな」
 そういって、彼はくしゃっと娘の頭をなでる。
「ううん」
 その二人が、あまりにも暖かそうで、彼女は、じっとその場から動くことを忘れていた。一瞬夢を食べるという目的すら忘れるほど。
 それは、間違いなく嫉妬だった。
 何処からそんな感情がわいてくるのか、一体何をそこまでうらやましいと思ったのか。彼女にすらわからない。
 己の感情に愕然とし、彼女はゆらりと二人から離れかける。
 同時、電話のなる音が部屋に響き渡った。
「私でるね」
 その一言に、彼女は何とか目的を思い出し己をとりもどした。二人が離れる。夢の匂いを注意深く吸い込み、いまだ玄関から離れていない父親のほうへと近づく。
 ――こいつだ。
 間違いない。ソレほどまでに強烈な匂いだった。そして娘が離れてもなお、その匂いは衰えずむしろ強くなるほどだった。
 ――なんだ、これは。
 だが、その夢の匂いは悲壮感に包まれていた。
 悲しみにくれた人間に、これほどの夢の匂いを出すものはいない。生きる気力を失った人間から夢の匂いなどはしないのだから。しかし、確かにその夢の匂いは悲しみにまみれている。
 ――考えている暇はない。
 電話越しに会話をする声が聞こえる。急がないと。彼女は廊下を歩く父親の背後に回るとゆっくりと口をあけた。
 夢を飲み込み、生気を糧とするために。
 肩が歯が食い込んだところで、父親が気がつく。痛みに、彼は背後に視線を向けるが彼の目には何もみえない。ただ激痛だけが肩を襲う。
「ぐあああああああ!」
 床に倒れこもうとする上体を、彼女は食い込んだ歯で無理やり起こす。ぐいと、引っ張られた彼は気絶もできず体からゆっくりと生気が抜けていくのを感じていた。
「まて」
 声は、廊下の向こう側から。電話ごしのやり取りはもうとっくに聞こえてこない。声の主は、
「ソレは、私の獲物だ」
 ずいと手を伸ばした。
 掴まれたのは、父親ではなく肩にくらいついていた彼女だった。
「!」
「どけ、若造。この男の夢は私のものだ」
 ミシリと体が悲鳴を上げる。骨ではなく、存在そのものが軋む音がする。
「この男は、妻も娘もなくし、ただただ彼女たちを探そうとしている生きる屍だ。そしてその願いは、日に日に強くなる。次第に己の体を維持できないほどにな。これはここまで私が育て上げた夢。貴様になんぞやらんよ」
「あ、あぁぁ」
「お前は先に私の糧になれ」
 軋む音。そして己が千切れる音。痛みと不快な音とともに意識が薄れていくのを彼女は感じた。
 ――ああ、うらやましいと思ったのはこいつだったのか。
 ただソレだけが、己が狂っていない証拠だと安心し微笑む。

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