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読書感想文

ルカ―楽園の囚われ人たち
ルカ―楽園の囚われ人たち
七飯 宏隆

ルカ:読書感想文・
例によって、棚上げ+ネタ晴らし、というファンにとっては毒以外の何者でもない感想文です。好きな人間は、目を通さないのが身のためです。これを読んだ後の精神状態に関して、私はいかなる責任も負いません。
 いうならお前が書けという意見も受け付けておりません。あつしより絵は下手ですがあつしの絵の変なところはわかるって人間一杯いる。それとおなじかとおもいます。なので、判ってはいますが棚上げです。自分への自戒の念もこめて。
 話の簡単な要約をすると、もうネタバレにしかならないような状態です。なので、これ以上はこれから読む人と、ファンの人は読まない方が良いとおもいます。

 世界は未来で、人類の生き残りは主人公の少女ひとり。久しぶりに、世界崩壊系のシナリオを見ました。秋山瑞人が書いた鉄コミュニケーションの小説以来の会合です。嫌でも比べてしまったりしますが、舞台が閉鎖のスタンスを取っているためそこまで比べないでも読めました。
 そろそろ紹介はおわり、斬り始めます。
 文体がまず面白くない。最近の電撃で面白い文体を書く人を見ていないので、まぁ仕方ないことかもしれません。癖の無い綺麗な文章というのは、確かに重要なファクターでしょうし。ただ、文章形態が特殊な取り方をしてるのに、文体自体がまるで平平凡凡なので、すごい違和感がでます。一人称でつづられる物語なのですが、始めの頃一人称の存在を認識しているのは殆どいないのです。おかげで、かなり長い間、つまりその一人称の存在が、他の登場人物に接触し始めるまで、読者と一人称の主格との乖離が激しいです。
 一番初めに、良くある最後の落ちやエピローグ的なカットがはいっていて、それは一人称と登場人物が互いに同じ場所に立っています。それを入れたので、読者と主格との距離が短くなったなどと勘違いされてはこまります。いきなり訳のわからない世界設定を理解しないといけない読者に、更に主格との心理的同調を求められてもそれは短いというものだ。おかげで、最初は三人称と一人称が入り混じる目の回るぶ小説に仕立てあがっている。全く設定を生かしきれていない。これならば、三人称の方がよかっただろう。
 章ごとには、ファイルやログだのといった大してなにもかんがえていない字面だけの名前がついている。話の流れが、一人称の主格が見ているログファイルという設定なのだけれど。いかんせん生かしきれていない。途中に破損ファイルが挿入されていたりするなんて演出がはいっているけれど、この作者はファイルがどういう風に記録されているかを考えていないか、もしくは考えているのだけれど、この程度の描写でそれが読者には伝わっていない。
 主格は、イルカの生態脳と機械の融合した人工知能をもった――― とか、ああ間違っていたら申し訳ないが、手元に小説がないので勘弁願いたい。多分あっているのだけれど。とりあえず、主格がイルカの生きた脳みそと機械の脳みそを併せ持ったものだそうです。けれど、イルカっぽくないし、機械っぽくない。全くただの少し頭のいい少年程度の描写しかできていない。実際イルカがこうやって考えているのかもしれない、本来これはイルカの思考にそっくりなのかもしれない。けれど、これはすべて読者による評価によってきまるものだ、書けている書けていないというのは。イルカが考えているようには、読めなかった。だから、かけていない。本当かどうかとうのはこの際重要じゃありません。読んだ人間が、そう思えたか思えなかったかどちらかでしかありません。
 そして、これはそうは読めなかった。意識して書いていてかけてなかったのか、意識もしてないで勝手に性格設定だけつけて人間のようにふるまわせたのか。前者ならまだましですが、後者なら最悪も最悪ですね。
 人間の最後の生き残りを育てるために、幽霊が登場します。すごいふしぎぱわーで、幽霊は物にふれたりできますが、なぜか閉鎖空間からでれません。シェルターなのですが、そこを出ることができないそうです。で、それについての説明はなし。ただ、不思議とそこからいけない。なのに、機械に取り憑くと、外にでれたりします。説明はなし。幽霊自体、何で現れたかも説明なし。最後のほうで消えますが、なんで消えたかも説明なし。説明なんかありません。世界は核戦争で汚染されているのに、平然とシェルターの外に出そうとする機械。説明はありません。シェルターに人がこなかった説明、すごい微妙にちょろっと幽霊がしゃべる程度。唯一シェルターにこれた主人公がシェルターにこれた理由説明無し。シェルターには、個人登録みたいなのが必要なのですが、それをするのはなぜか話の終盤で、入る前にしてはいなかった。理由は説明なし。
 なんにもありません。ほんとになにもありません。確かに、説明しない、そういう話をいろいろみてきました、その不思議さを雰囲気に昇華できている人もいます。これは全くできてませんがね。
 食料は人間一生分はゆうにつくれるプラントなるものがあるそうですが。クローンを作るのに人工胎盤を作ることはできないそうです。いみわかりません。たんぱく質の合成できて、クローン自体はつくれるのに、人工胎盤が出来ない理由がわかりません。もちろん説明されていません。本物の母体がないとつくれないといいはっていました。
 まったくいみがわかりません。
 何も考えないでよんだら、楽しめるかとおもいます。
 かわいい女の子が、ほんとは幽霊の男の子に恋をして、おなじ幽霊の女の子がやきもちを焼く。それのやきもちを利用して、支配されつづけていたコンピューターが氾濫を起こす。けれど、三原則に適用される人間が悲しむことをしてしまい、子供っぽいロボは考えを改め、共に共存をえらび。家族となってしまったコンピューターは、少女からクローンを作ることをあきらめ、人間は滅んだ。
 あー。こうしてまとめてかいたらそれなりにまとまってますね。世界設定とか気にしない人ならたのしめるかもしれませんね。
 はい、僕はきっちりしてないと嫌だとはいいませんが。
 空が飛べるのに川が渡れない。という設定をだされて、納得のいく理由がなく、なんとなくそういう風に決まっていますと言われる世界を許容できる人間じゃないってことです。それだけです。

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コメント

気になったので。
現在の科学技術水準でも蛋白質の合成はできますし、クローン人間も理論上つくれることになってます。けれど、人工胎盤/人工子宮技術が完成したと聞いたことはありません。ので、私の認識が正しければ(科学技術の設定水準によっては)母体は必ず必要になります。
この小説では他に科学的に無理なことをやってる箇所があるので、科学的矛盾が発生しているという指摘は正しいのですが。

  • 通りがかりの人間
  • 2005/05/05 14:56

 なるほどなるほど、説明されれば納得できます。けど、その説明がなかったので、知識のない私にはさっぱりでした。
 うーん、それとも常識なんでしょうか……

  • カミナ
  • 2005/05/05 22:53
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