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今日の「三題」話

■連載中のlog
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 国内有数の大富豪、御柱四家のうちの一つ、夜を守る一族、有賀。その現当主である、有賀真衣。世界有数の大企業、有賀総合の会長の名だ。
 いや、そのはずだ。事あるごとにテレビや写真に出没する彼女の顔は、世界どこへいったところで顔パスで通るレベルで、確か美人会長とかなんか色々と取り沙汰されている。女性の社会進出への偉大なる一歩だとか、ファンクラブだとか、なんだか色々あるほどにある意味神格化されてしまった人間。有賀真衣。テレビなど殆ど見ないヒサキですらその顔はしっている。
 だからこそ、違和感があった。

「記憶にある有賀真衣様の情報は、黒髪でした。その色、染色でも老化でもありません。毛髪の変色は個体として、ありえないので他人だと判断します」
 髪の毛の色は、見たことも無い白。銀髪ではないし、白髪の白でもない。純白。そして、ヒサキの知っている有賀真衣の姿とはかけ離れる点がもう一つ。
 若いのだ。
「相変わらず石頭。それとも、自分をだますための詭弁? それとも、何が起こっているか解らない程度で全知なんていってくれるわけ?」
「止めますか?」
 ユキの呟きは常に淡々としている。
「は? まだ続ける気? そこのガキどもが何をしてるか知っていて止めさせない気?」
 ガキどもというのが自分や部長のことをいってるのだとわかるのに一瞬かかった。なぜなら、有賀真衣と呼ばれるその人はどうひいきめに見ても、高校生。大学生入学したてといったところだ。ひっくりかえったって社会人にはみない。
「主人の行動選択に関する情報は、能動的に与えることは不可能です。そして、行動結果予測如何にかかわらず、私の行動決定はすべて主人によってなされます」
 ユキが腰を落とし、身構える。これ以上、会話の必要性はないと、背中がいっている。
「まさか、何も教えていない――」
 言葉は途中。ユキは手加減無用とばかりに、前に飛ぶ。足から逃げた反動が、砂煙になって背後で巻き上がる。その勢いのまま、ユキは右の手のひらを突き出す。例え、有賀最強の名をほしいままにしているとはいえ構造は人間である、動きを止める方法はいくらでもある。
 突き出した手のひらが、真衣に触れる。コンマ秒の間。
 真衣は、そのばで右に回転。初速から最高速度にのった体は一瞬で回転を開始、服が慣性に引っ張られてぶれた瞬間ユキの手が触れた。
 服の摩擦係数にまけ、ユキの手がぶれる。軸をずらされた手はいとも簡単に真衣の回転方向に弾かれた。
 体ごともっていかれる瞬間、ユキは足のみで飛び上がり距離を取って着地。後に残ったのは、回転を止めユキに振り返った真衣と周りを吹き荒れる砂煙のみ。
 すぐさまユキは行動を再開。ヒサキと真衣の間に入るように移動した。
 ――反応速度の上昇を確認。
 ユキは前を見る。白い髪の毛さえぬけば間違いなく有賀真衣である敵。ただ、若返ったと視覚機構も答えを返してくる。間違いなく若返っている、化粧や整形によるものではなく本人がそのまま若いころの姿になった、そうとしか言いようの無い姿をしていた。
 ――しかし、戦闘経験値は上がっています。
 確実に、ユキの知っている有賀真衣の対応を著しく超えている。交差させるように弾いた腕、あのまま蹴り上げず、わざとユキを後ろにいなしヒサキから遠ざけようとしていた。
 真正面から戦う必要はない。そういうことだ。直情的だった真衣がいかほどにしてコレほどまでに冷静かつ、完璧な戦闘を行うようになったのかユキにはわからない。もしかしたら、本人ではないのではないか。そんな疑問すら浮かんでくる。だが、
 ――炎操術たしかに確認しました。
 有賀が有賀たる所以。鬼を食べたとされる有賀の伝説。
 鬼と魔女の伝承には続きがある。鬼を殺すために、血反吐を吐きつづけた戦いつづけた凄惨な物語の続きが。
 けしてかたられず、物語にのこらない鬼を食う話だ。推測予測される物語の原型を、都紙はこう結論付けている。
 鬼――この場合、異星人や異界人に属する人間外――と魔女は同する存在である。ともに相手を邪魔だとおもっている何か、強大な存在の二つの示唆。鬼は人間を食べたのではなく、殺した。理由はこの時期に流行っていた伝染病のキャリアだった可能性がある。人間を救う為に、鬼は人を殺し、人に恨まれた。それから山に逃げ込んだが、その後も伝染病のキャリアなどのみをねらって殺していると推測される。推測理由としては、他の地域と伝染病の感染率の大幅な差異が見受けられるということ。
 物語の主人公である青年の名は、有賀秋彦で間違いないと思われる。最終的に彼は鬼を喰らい鬼の力を手に入れ、この地に君臨している。喰らう方法を秋彦に教えたのは、間違いなく魔女の存在が見え隠れしている。物理的に食事をしたかどうかについては不明。ただ、なにかが在ったことは確か。
 人間ではない力。とまではいかないが、操術は人間離れしているのは確かだ。都紙がだした結論もあながち嘘ではないだろうと思われる。血族による伝染症の可能性はなく、養子などに操術を仕様できる人物が確認されている。詳しくは不明。
 炎操術といえども、別に炎を出すような奇人の技ではない。それは単に、体の熱を操る術のひとつである。
 どんな動作をも、いかなる状態だろうが最大限に引き出す。
 それが炎操術とよばれる術の正体で、聞いてしまえばどうという事のないものだ、とユキはおもっていた。だが違う、自分の歯車とシリンダの体ですら、初速は必要で体重移動などの演算が入れば体制を崩したときに出せる力は自然と押さえられてしまう。初期動作からトップギアなど不可能である。つまり人間と同じというよりは、物理的に不可能。倒れかかったりしているときに、ソレを無視してほかに力を入れることはできない。だが、炎操術だけはソレを可能とする。
 ――対人モードから、対怪モードへ移行。
 すでに、相手は人間ではないと判断。ユキは一度大きく息を吸った。擬似血液が運ぶ酸素が熱に還元されていく。広がり鮮明になっていく視界のなか、有賀真衣が何かを図るように周りを見回している。後ろにはヒサキ。守るべき主がいる。ユキは目に力をいれた。
 ――必ず、守ります。
 しかしすぐに視界は対怪モード移行のログで埋め尽くされていった。
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≫depths of nucleus system ver.00fe9f.a3 WS
Copyright (c) 1c78-1f09,Abyss Central Information,LTD
ACI.MCDS/WS BIOS Rev 03b.7d
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MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDS MCDSMCDS MCDS MCDSMCDS MCDSMCDSMCDSMCDSMCDS
system All Clear……
>who are you?
 ――― It Merely Continues Destruction System ―――
それは、ただ破壊し続けるシステム

 ユキの人格システムが、体時間速度の変化を伝えてくる。
 ――体感時間差四倍。
 粘着性を帯びた風が頬をかすめる。体を重力に任せて落とし、前に飛んだ。
 一歩。踏み出した瞬間抉れる土の感触。爆音は届かず、音から逃げるように更に加速。
 二歩。踏み込んだ足から逃げそうな慣性を無理やり止めて体を前に。
 三歩。体が前に倒れた。前に。ただ前に目の前にいる白へ。
 
 有賀真衣は、ユキのシステム切り替えをじっと待っていた。
 距離てきに、阻止するのは不可能。
 ならば迎え撃つ。
 腰を落とした瞬間、ユキが飛んだ。意識最速の単位のなかで、目の前にユキがいる。ありえない速度、だが真衣はやることだけをやる。拳を前に。
「これ以上繰り返すわけには行かない」
 呟きを乗せた拳が当たる。




更新。web拍手。


 へー、workstationつんでんだ。

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