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今日の「三題」話

■連載中のlog
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 夜の星空が少しずつ、少しずつ減ってきたのは人が星を食べてるからだ。
 なんて話を、小学生の頃聞いたことがある。
 加賀ヒサキは走りながら、夜空を見上げて思う。
 星がなくなることがいけない事だ、なんて思わなかった。だから、人に食べられて星がなくなることには特に感慨も無く、どちらかといえば「星が無くなったら人はどうするのだろうか?」などという、終わりに対しての恐怖の方が先に来た。
 そんなことを書いて先生に出したら、怒られた記憶がある。
 星を食べることが、どうして悪いのか。その疑問は端的に、星を勝手に人が食べてはいけない、という至極つまらない答えによって解決される。
 つまりは、星を守らないといけないのだと。

 でも、動物は食べてよくて植物は食べていいらしい。
 加賀ヒサキには、やはり理解できなかった。遠い空の星よりも、動物や植物を食べることの方がいけないきがしてならないのだ。
 そんなことを、帰り道に考えて歩いていたらライナが答えを教えてくれた。
「宇宙人がいたら、困っちゃうよね。だから食べちゃダメなんだよきっと」
 ああ、なるほど。
 ヒサキはそれは困るな、とやっとなっとくしたものだ。
 結局、夜のライトアップの話だって気がついたのはずいぶんと後になってからである。
 いま、軽くなったユキを担いでヒサキは夜空の下を走っている。
 何で走っているのだろうか。そんな疑問を全てもっていくような、あの据えた血の匂い。一瞬で視界を奪っていく「向こう側」だ。
 閉塞された空間にしか現れなかったはずの「向こう側」は既にそんな理屈なんて無視して後ろから迫っている。
 巻き込まれれば一瞬にして街並みは黒一色に塗りつぶされ、輪郭だけの代物になる。その向こう側の夜空は初めて「向こう側」から覗いた空より星が少なくなっていた。
 はて。と疑問が傾げる。星は町が暗いから向こう側では良く見える、そう思っていた。
 街の明かりがないから星空が見えていると。殆ど時期も変わらないのに、なぜこうも星空が見えなくなったのか。ヒサキは考える。
 もしかしたら、アレは星じゃないんじゃないか。
「加賀ヒサキ、急げ。追いつかれるぞ」
 名を呼ばれ驚き、ヒサキは顔を上げた。ずいぶん離されてることに驚き、その瞬間、部長と志茂居を背負った男が「向こう側」から抜けた。
 見えなくなった二人を追うようにヒサキは足を速める。
「けいたさん! けいたさん!」
 肩に乗ってる何かは、相変わらずうるさく志茂居の名前を読んでいる。
 余りにもうるさくて、ヒサキは声をかけた。
「ねぇ、ちょっとうるさい」
 聞こえてるとは思わなかった。
 ヒサキの言葉に、びくりと体を震わせ何かは口篭もった。
「ご、めん」
 反射的に謝ってしまう。それほどに縮こまってしまった何かは、ヒサキの言葉で顔を上げた。
やはり、妖精なのだろうか。妖精が居るかどうかはしらないが、少なくても妖精っぽいといえばそうである。重さは無いけれど、肩に乗っているという感触はある光っているけれどまぶしくは無く、それ自体の輪郭もはっきりしている。
 何かに似ているから、どうしても妖精ではなくて別の正しい呼び方が在るような気がしてならない。ヒサキは、じっとその肩に乗っている何かを見ていた。
 ヒサキに言われてから、肩で縮こまって振るえているそれは、たまに視線を上げてヒサキを見てはすぐに目をそらす。
「あ、のさ。君はだれ?」
「え?」
 目を丸くする。元から丸い目がさらに丸くなるものなのだと、ヒサキは関心した。小さいというよりはちみっちゃいと表現した方がよさそうな姿が、ぷるぷると震えているのはなんだか弱い物いじめをしているようで忍びなく、居心地が悪い。
「怖がらなくても、何もしないよ」
「え? あ、はい」
 微笑みかけたのが聞いたのか、それは震えるのをやめしっかりと顔を上げた。人形みたいだな、ヒサキは思う。
「えっと、君は誰?」
「わたしは……よくわかりません。ごめんなさい」
 まぁ、自分もそんなこと聞かれたら名前ぐらいしか答え様が無いな、そんなことをヒサキは考える。夜空がいつもの夜空に戻った。街並みが色を帯び、いつもの街並みが帰ってくる。心地よい風が頬をかすめ、髪をゆらした。
「いままで、志茂居先輩といっしょにいたの?」
「はい……」
「先輩にはなんて呼ばれてた?」
「えっと、リロってよばれてました」
 リロ? なにかのもじりだろうか。そのままつけるには少し変な印象を受ける。
「じゃぁ、僕もそう呼ぶよ。リロ」
「は、はい」
 その名前が嬉しいのか、リロは笑った。
 目の前を部長と男が走っている。今は逃げないといけない。けれどどこまでも追ってくる、そんなきがしてならなかった。
「リロは、妖精なの? それとも幽霊? もっとべつのものなの?」
 見た目は妖精のそれにちかい。でも、妖精なんているとはおもえない。そういえばステラが幽霊が見えるといっていたことを思い出す。
 ヒサキには、肩に乗っているリロがなんなのか判らない。部長にはみえてなかったようだし……。
「狭間よりいでし、狭間に住まう物。今でなく、昔でなく、されど全てである物。偏在し、浸し、たゆとう物。つかめず、見えず、居ない物」
 リロが朗々と読み上げるような言葉にヒサキは驚き彼女を見た。
「そういわれましたが、わたしはバカなのでよくわかりません」
 良くわからない。自分がわから無いというのはきっと寂しいのだろう。
「リロの仲間は居るの?」
「え?」
「リロと同じような人はいるの?」
「みたこと……ないです」
 彼女の寂しそうな顔は、今までなにも知らなかった事実を突きつけられたそんな顔だった。
 そして、初めて寂しいという感情をしった顔だった。
 





 リロはlife ropeから。liro。
 クーラー病で毎日つらいですわ。オッサンあつがりすぎ、まず皮下脂肪どうにかしる!

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コメント

今日はWEB拍手ボタン無しですか…
「りろ」と聞くとウイングマンの「桜瀬りろ」しかでてきません!
ボスケテ!

  • 木本らい
  • 2005/07/20 17:39

桜瀬りろ……、ウィングマン!?
web拍手は、らいさんしか押してないんでw 今度サイドバーにでも設置しようと思います。

  • カミナ
  • 2005/07/20 19:25
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