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今日の三題話

今日も三題話です、話は昨日の続きディス・・・
今回の御題もAN-DO君からです
お題: 風呂、花、四季
前回のお話はコチラ


 結局のところ、王の右手は戻らなかった。
当然、王も自分の右手がそのまま下に戻るとは思っていなかった。しかしながら、偏狭の小国でしかないこの国に他の国から研究者を呼び寄せることは愚か、長期にわたって自分の右手を研究させる余裕すらないのだ。現在は、手首と右手のつなぎ目には布が巻いてあった。右手は意志があるのか勝手に動く、もとより勝手に動かなければもっと早くに発見できただろうし特に驚くようなことでもなかった。問題は、かってに動くことであって、思い通りに動くわけではないということだ。
「王、また右手を治すといって、尋ねてきたものがおります」
最近、右手のことを隠していない王の所に、こういった褒章目当てのペテン師が現れるようになった。
「またか・・・どうせやることもない、通してくれ」
できたばかりの国というのもあり、こうやって重臣に取り入るつもりというのも在るのだろうか、王はさすがに毎日ひっきりなしに現れるペテン師どもにうんざりしていた。
接客用の服装に着替え、謁見用の部屋に下りていく。たった一人で戦争を収め、一人の犠牲も出さぬままこの地域を守った英雄だからこそ、城での生活などに満足できるわけもなかった。重い足取りと共にでるのは、接客用の服装の重さへの不満と自室と謁見用の部屋の遠さについての愚痴である。謁見用の部屋の扉が見えてくる。近づけば次女が扉を開いた。謁見用の部屋につくとそこにはすでに先ほど呼ばれたであろう客がまっていた。
「すまない、またせた」
本来なら、謝罪どころか挨拶すらいらないのだが、王になってからまだ一年も経っていない、王らしくない王はペテン師相手に頭を下げた。
「王っ!」
頭を下げたことに、とがめる声が飛ぶ。
「客としてをよんで、待たせたんだ。頭を下げるのは当然だろう」
臣下をなだめ、椅子に腰掛ける。そして、客を見る。花をあしらった奇抜な服装に、思わず声をあげそうになった。まるでペテン師と公言しているみたいではないか。今まで目の前に現れたペテン師達は、それなりに格好は魔術師のような服をきてみたり、いわくつきのような甲冑を引っさげて目の前に現れたものだ。今までで一番すごかったのは教師のような男だったが、今目の前にかしこまっている客はそれ以上だ。これではもはや道化師どころの騒ぎですらないのでは、王は心の中で笑いつづける。
「その右腕、前の戦で切り取られたと聞き及んでおりますが ―――」
道化のその声に一瞬室内全体が凍りついた。道化は続ける、その切断された右腕には呪いがかけられている。切られたときに、出血がなく切られた手のほうが意志をもちかってに動いているのがその証拠だというのだ。
「――― そして、私はその呪いを解く方法を知っている」
道化は、目の前に花を並べだした。そこには、季節はずれの花どころか、この国では生えない花すらあった。いずれも先ほどまで地面に咲いていたような瑞々しい花たちである。
「切られたものは生物、植物に限らずすべて切られた状態で生き続けます。コレは、四季のある南の方の国で切り取った花達です」
「お前は、その短剣を持っているのか・・・」
王は震える。あの時誰一人として近づかせず全てを振り払っていた戦場で、あの短剣は驚くほどスムーズに右手を切断していった。結局、左手のみで戦いつづけ、彼はその土地を収めるにいたったのだが、右手はその戦乱の中でついに見つかる事はなかった。
「もっておりません、しかし同じ種類の呪いを持った剣は持っております」
 解呪は、気が抜けるほど簡単にすみ、王の右手はもとにもどった。褒賞はと道化に聞くと道化は笑って答える。
「臣下に、それとお風呂を。こんななりでも女ですので」
そういうと彼女は汚れのついた膝を払い颯爽と部屋をでていった。




AN-DO「7/10点ぐらいで」

突発三題話

('A`)あまりの暇さに、三題話をすることにしました。
お題はAN-DO君からおくられてきて、ソレを私が書くという形デス

今回のお題:右手、空、王様 
シリアスな感じで一つ

 這いずり回る。泥にまみれ、傷だらけになりそれでも私は這いずった。こんな姿では用意に人前にでれるわけもなく、宿すら取れない。もちろん金だって持っていないのだけれども。雲行きが怪しくなり私は疲れていたこともあって木陰に移動した。一息ついて疲れきっていた私はそのまま眠りこけてしまった。
ポツリ
冷たい感触と共に目がさめる。空を見上げると雨が降っていた。まだ降り始めらしく地面からは雨と埃の匂いが立ち込める。そういえば、相棒もこの匂いが好きだった。強くなり始める雨に砂煙が舞い上がる、雨が地面をぬらし地面は煙を巻き上げて水から逃げる。雨と埃のダンスはすぐさま雨の強烈なステップに蹂躙された。岩の破砕音に似たような強烈なスコールだ、木陰の外が舞い上がる飛沫で白く覆われていく。
音も視界も一色に塗りつぶされたなか、私は切り離された相棒を思う。元気にしているだろうか、私がいなくなって困ってはいないだろうか、あいつは私がいないと何もできないやつだったから・・・。そうだ、急いで戻らないければならない、あいつのところにだ。白く覆われている視界に苛立ちつつ、私はせめてやむまで体力をと眠りについた。
・・・
気配を感じて目を覚ます。
「やっと見つけました、探しましたよ」
そう言って手を差し出してきた。
だれだったか・・・相棒がよく連れて歩いていた男だったようなきがする。私は声を出さず差し出された手をつかんだ。
彼は、私を自分が乗ってきた馬車に載せると私の横に座った。
「行きましょう、急いで」
言葉に反して、馬車はゆっくりと速度を上げていった。雨で濡れた地面は砂煙すら上げず、順調に相棒がいるところへ私を運んでいった。雨の後の快晴はいつでも気持ちがいいもので、私は身を乗り出して外の景色を眺める。しばらくすると相棒のすんでいる家が見えてきた。町の中でひときわ目立ったその家は、彼が言うには城というらしい。彼に連れられ私は相棒の家へと入っていく。
「王様!見つけてまいりました」
彼は私を相棒の前に差し出す。
「ああ、私の右手よ、良くぞ帰って来た!」



AN-DO「6/10点」